2020年4月から6月のインド経済の実質GDP成長率は前年同期比で過去最悪。そりゃそうであろう。2020年4月はLockdownで経済をストップさせていたのだから。2020年5月から徐々に経済が動き出している状況であるが、不安定な状況が続いていると言えるだろう。経済が冷え込むと当然国民の財布事情も冷え込んでくる。そのため消費に対して保守的になり、ますます経済が冷え込んでいく。この負のスパイラルが起こる可能性がある(既に起こっている可能性はあるが)。 またコロナの一時避難として日本に帰国している駐在員がまだ多数いる。つまり口うるさく小言をいう日本人駐在員がいない事から不正に対するガードが下がっている状況だと言えよう。実際に私のところにはインド人の不正に関する相談が来ているのだ。 経済不安によって将来の収入に不安を感じ、業務をチェックする日本人駐在員がいない職場で、インド人は何を考えるだろうか?インド人に限らず、人間であればちょっとした気の迷いが芽生えてしまうのも仕方がない。その気の迷いを早期に摘むことがインドビジネスに関わる日本人にとって重要である。しかし今はインドに行けない。であれば定期的に報告される情報を読み解き、指摘することで気の迷いに対する牽制をしなければならない。 リモートで管理しなければならない今こそ、この書を読んでいただき、どこにリスクがあり、それをどうコントロールするべきかもう一度考えて欲しいと思っている。